「暗闇の中の光」   牧師 奥田健一

「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった。」ヨハネの福音書1章5節

みなさん、こんにちは。いつも羽島キリスト教会とその働きのことを覚えてくださり感謝しています。

さて、サッカーワールドカップが行われています。その映像を見ると、多くの観衆がマスクなしで大声で叫んでいます。コロナ感染の対応が世界で別れてきていることを実感させられます。これからウクライナ戦争の対応、難民に対する対応、経済に対する対応も別れていくかもしれません。さらに、日本でも宗教に対する人々の対応もさらに多様化していくのではないかと考えさせられています。

価値観の多様化は大切なことであります。しかし、多様化が行きすぎると、人々の心の間で分断が起きます。そして、人々の孤独の闇が広がっていくのではないでしょうか。本当の自分をわかってくれる人はこの世界のどこにもいない。そのように考える人が、これからますます増えていくのではないかと思うのです。

私自身も以前はそのように考えていました。友人たちと一緒にクリスマスパーティを楽しんでも、どこか冷めている自分がいました。自分の心の底で思っていること、悩んでいること、わからないことを人に打ち明けることができなかったのです。まさに闇の中を歩んでいたのです。

しかし、私は幸いにも三浦綾子さんの小説を通して聖書の中心人物であるイエス・キリストのことを知りました。初めは何もわかりませんでした。単にイエスはキリスト教の創始者というくらいの知識でした。

ある時、イエス・キリストのことばを学びました。そこで、イエスはイエスのことばを受け止められない弟子のトマスという人物にこう言われたのです。

「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとにいくことができません。」ヨハネの福音書14章6節

私はこのことばを最初聞いた時、怒りました。宗教的真理の多様性を真っ向から否定していると感じたからです。ただ、怒りつつもイエスのことことばがずっと心に留まりました。そしてさまざまな試練を通ってこの主イエスのことばを信じ、受け入れました。心に喜びが湧いてきました。同時に、それまで抱えていた「どうせ人はひとりぼっちなのだ」という思いが消えていったのです。後で考えると、イエスに闇を打ち勝つ光を見出したからだと思います。

 この方はまた、こうも言います。「わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません」。

 闇の中に輝く光。それは単なる真理ではなく、人となられた神だと聖書は主張します。このクリスマス、どうかこのお方のことを覚えていただきたいと願っています。教会のクリスマスにもぜひお越しください。

 主イエスの恵みと祝福がみなさまの上に豊かにありますように。